ネットワークトランスポートとは|DAC別体構成の考え方
ネットワークトランスポートとは、ネットワークから受け取った音源データをデジタル信号のまま出力する機器です。
DAC(デジタル信号を音声信号に変える回路)を内蔵せず、単体DACと組み合わせて使います。DACだけを後から入れ替えられる点が、一体型との違いです。
ネットワークトランスポートとは
ネットワークトランスポートとは、ネットワーク上の音源データを受け取り、デジタル信号として単体DACへ送る機器です。音声信号への変換は行いません。
出力端子は、同軸デジタル、光デジタル、USB、AES/EBU、I2Sなどです。機種によって備える端子が異なります。
単体では音が出ません。DACとアンプを組み合わせて、はじめてスピーカーを鳴らせます。
CDの世界で、読み取り専用のCDトランスポートと単体DACを組み合わせる構成がありました。ネットワークトランスポートは、その考え方をネットワーク再生に持ち込んだ機器です。
プレーヤーとの違い
違いは、DACを内蔵するかどうかの1点です。ネットワークプレーヤーは内蔵し、トランスポートは内蔵しません。
| 比較の観点 | ネットワークプレーヤー | ネットワークトランスポート |
|---|---|---|
| DACの内蔵 | 内蔵する機種が多い | 内蔵しない |
| 出力端子 | アナログ音声出力とデジタル出力 | デジタル出力のみ |
| 単体での再生 | アンプにつなげば音が出る | DACがないと音が出ない |
| 必要な機器数 | プレーヤーとアンプの2台 | トランスポート、DAC、アンプの3台 |
| 将来の入れ替え | DACの変更はできない | DACだけを入れ替えられる |
DACを内蔵するネットワークプレーヤーでも、デジタル出力を備えていればトランスポートとして使えます。その場合、内蔵DACは使いません。
役割の違いはネットワークプレーヤーとは、ネットワークプレーヤーとDACの違いで解説しています。
DAC別体構成のメリット
別体にする利点は3つです。入れ替えの自由度、電源の分離、そして機器選びの幅です。
入れ替えの自由度:DACは技術の更新が速く、対応する形式やサンプリング周波数が世代ごとに変わります。別体なら、トランスポートを残したままDACだけを新しくできます。
電源の分離:ネットワーク部は通信のために動作し続けます。DACを別筐体にすると、電源部を分けられます。
機器選びの幅:すでに気に入った単体DACをお持ちの場合、その音を活かしたままネットワーク再生を追加できます。
一方で、機器が増えるぶん設置スペースと配線、そして電源コンセントの数が必要になります。ラックの段数も確認してください。
構成例はネットワークオーディオの構成例にまとめています。
導入時の注意点
注意点は4つです。端子の対応、対応する周波数、ケーブル、電源の順に確認してください。
- 端子の組み合わせ:トランスポートの出力端子と、DACの入力端子が一致するかを確認します。I2Sは端子の形状が同じでも配線の割り当てがメーカーごとに異なるため、組み合わせの可否を確認してください。
- 対応する周波数と形式:DAC側が受けられる上限を確認します。トランスポートが送れても、DACが対応していなければ再生できません。
- デジタルケーブル:同軸は75Ω、AES/EBUは110Ωが規格上のインピーダンスです。指定に合うケーブルをお使いください。
- 電源とアース:機器が増えると、電源まわりの取り回しが複雑になります。コンセントの数と、ノイズの回り込みに注意してください。
USB接続では、ケーブルの長さが長すぎると信号が不安定になる場合があります。2m以内を目安にしてください。
代表的な製品の傾向
トランスポートは、上位価格帯を中心に展開されています。価格帯ごとの傾向を整理します。
中位価格帯:ネットワーク部とデジタル出力に絞った構成です。USB出力を主とし、同軸と光を併設する機種が多くなります。
上位価格帯:電源部を強化し、クロックの精度を高めた構成が採られます。外部クロック入力を備える機種もあります。
ハイエンド:電源部を別筐体に分ける構成、専用の伝送方式を持つ構成が見られます。同一メーカーのDACとの組み合わせを前提とする製品もあります。
外部クロックを使う構成はオーディオのクロックジェネレーターとはで説明しています。
対応メーカーはオーディオ買取の対応メーカー一覧、買取の基準はネットワークトランスポート買取をご覧ください。
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よくある質問
単体では音が出ないのですか?
音は出ません。ネットワークトランスポートはデジタル信号を出力する機器で、音声信号への変換を行わないためです。
再生するには、単体DACとアンプ、スピーカーを組み合わせます。1台でアンプにつなげたい場合は、DACを内蔵したネットワークプレーヤーをお選びください。すでに単体DACをお持ちであれば、トランスポートを足すだけでネットワーク再生を追加できます。
どのような接続が必要ですか?
トランスポートとDACをデジタルケーブルでつなぎ、DACとアンプを音声ケーブルでつなぎます。ネットワークへの接続は、LANケーブルまたは無線です。
デジタル接続には、同軸、光、USB、AES/EBU、I2Sなどがあります。両機の端子が一致する方式を選んでください。同軸は75Ω、AES/EBUは110Ωのケーブルを使います。配線の図はネットワークオーディオの接続図をご覧ください。
プレーヤーから買い替える価値はありますか?
単体DACをお持ちか、今後DACを入れ替える予定があるかで判断してください。どちらにも当てはまらない場合は、一体型のプレーヤーで足ります。
DACを内蔵するプレーヤーでも、デジタル出力があればトランスポートとして使えます。まず手持ちの機器のデジタル出力を単体DACにつないで比べ、そのうえで専用機を検討する順序が現実的です。使わなくなった機器はネットワークプレーヤー買取で査定をお受けします。