ネットワークオーディオのNAS活用|選び方とデータ管理
オーディオでNASを使う意味は、音源ファイルを1か所にまとめ、複数の再生機から呼び出せるようにする点にあります。
NAS(ネットワークに接続する記憶装置)は汎用の製品でも使えますが、DLNAサーバー機能の有無と動作音を確認してください。故障に備えたバックアップも欠かせません。
オーディオでNASを使う意味
NASを使う意味は、音源を手元に保管し、配信サービスの契約に左右されずに聴ける状態を作ることです。
CDから取り込んだ音源、購入した配信音源、自分で録音した音源は、いずれもファイルとして残ります。NASに置けば、ネットワークプレーヤーから直接呼び出せます。
パソコンに保存する方法との違いは、常時使える点です。NASは起動したままでも消費電力が小さく、動作音を抑えた製品もあります。
また、複数の再生機から同じライブラリを共有できます。居間と書斎に別のプレーヤーを置く場合でも、音源は1か所で管理できます。
一般的なNASとの違い
オーディオ用として販売されるNASと、汎用のNASでは設計の重点が異なります。通信の仕組みは同じです。
| 比較の観点 | オーディオ用NAS | 汎用NAS |
|---|---|---|
| 想定する用途 | 音源の保存と配信 | 写真・書類・動画を含む汎用の保存 |
| 動作音 | ファンを使わない設計の機種がある | 冷却ファンを備える機種が多い |
| 電源部 | ノイズを抑えた電源を採る機種がある | 汎用のACアダプターが中心 |
| 設定項目 | 音楽用途に絞られ、項目が少ない | 用途が広く、項目が多い |
| 拡張機能 | 音楽再生に関わる機能が中心 | 監視カメラや仮想化など多岐にわたる |
汎用NASでも、DLNAサーバー機能を有効にすれば音源の配信は行えます。書類や写真もまとめて保存するなら、汎用機の方が使い道が広くなります。
役割の違いはNASとミュージックサーバーの違いで詳しく説明しています。
容量とバックアップの考え方
容量は、保存する形式と枚数で決まります。可逆圧縮のFLACなら、CD1枚あたり300MBから400MB程度です。
| CDの枚数 | FLACでの必要容量の目安 | 推奨する装置の容量 |
|---|---|---|
| 500枚 | 約150GB〜200GB | 500GB以上 |
| 1,000枚 | 約300GB〜400GB | 1TB以上 |
| 3,000枚 | 約900GB〜1.2TB | 2TB以上 |
| 5,000枚 | 約1.5TB〜2TB | 4TB以上 |
高い解像度の音源(ハイレゾ)は、CD音源の3倍から10倍の容量を使います。ハイレゾ中心なら、目安の3倍を見込んでください。
バックアップは欠かせません。記憶装置は消耗品で、いつかは故障します。
複数のドライブを使うRAID構成は、1台が故障しても運転を続けられる仕組みです。ただし、誤って削除したファイルは復元できません。RAIDはバックアップの代わりにはなりません。
別の装置か外付けドライブへ、定期的にコピーを取ってください。
設定でつまずく点
つまずきやすいのは、共有設定、タグ情報、ネットワークの3点です。順に確認すると原因を特定できます。
- DLNAサーバー機能が無効:プレーヤーからNASが見えない主な原因です。管理画面から有効にしてください。
- 共有フォルダーの権限:読み取りの権限がない場合、フォルダーは見えても再生できません。
- タグ情報が入っていない:曲名やアルバム名が表示されない場合、ファイルのタグが空です。取り込みソフトの設定を確認してください。
- 別のネットワークにつながっている:プレーヤーとNASが同じルーターの配下にあるかを確認してください。
- ファイル形式が非対応:プレーヤー側が対応していない形式は、一覧に出ても再生できません。
フォルダーの構成も、探しやすさに影響します。「アーティスト名/アルバム名/曲」の階層にそろえると、アプリでの表示が安定します。
配線はネットワークオーディオの接続図をご覧ください。
買い替え時のデータ移行
NASを入れ替えるときは、先に新しい装置へコピーしてから、古い装置のデータを消してください。順序を逆にすると復元できません。
移行の手順は次のとおりです。
- 新しいNASを設置し、ネットワークに接続します。
- 古いNASから新しいNASへ、フォルダーごとコピーします。
- プレーヤー側で、新しいNASの音源が見えるか確認します。
- 再生できることを確かめてから、古いNASのデータを消去します。
- 古いNASを手放す場合は、記憶装置を初期化します。
初期化は、ファイルを削除するだけでは不十分な場合があります。管理画面の「完全消去」や「ゼロ書き込み」に相当する機能をお使いください。
当社では、記憶装置を含む機器について、お預かり後にデータ消去を行います。取り扱いは個人情報とデータの取り扱いをご覧ください。
お引き取りは、古物営業法第14条第1項に従い、お客様のご自宅またはご滞在先で行います。出張買取は訪問購入にあたるため、法定書面の交付日から8日間はクーリング・オフができます。
その間は品物の引渡しを拒む権利があり、不招請勧誘と再勧誘は行いません。
買取の基準はオーディオ用NAS買取をご覧ください。
よくある質問
市販のNASでも使えますか?
使えます。DLNAサーバー機能またはSMB共有に対応していれば、ネットワークプレーヤーから音源を呼び出せます。
汎用NASは、写真や書類もまとめて保存できる点が利点です。一方、冷却ファンの動作音が気になる場合があります。設置場所がリスニングルームの場合は、ファンを使わない設計の機種か、別室への設置をご検討ください。
バックアップはどう取ればよいですか?
別の装置か外付けドライブへ、定期的にコピーを取ってください。NASの管理画面に、自動でコピーする機能が用意されている場合があります。
複数のドライブを使うRAID構成は、1台が故障しても運転を続けられる仕組みです。ただし誤って削除したファイルは復元できないため、バックアップの代わりにはなりません。取り込みに時間をかけたライブラリほど、二重の備えが役立ちます。
買い替え時にデータは移せますか?
移せます。古いNASから新しいNASへ、フォルダーごとコピーする方法が一般的です。
先に新しい装置へコピーし、再生できることを確かめてから、古い装置のデータを消してください。順序を逆にすると復元できません。古いNASを手放す場合は、管理画面の完全消去に相当する機能で初期化してから引き渡してください。