NASとミュージックサーバーの違い|役割と選び分け

NASとミュージックサーバーの違いは、用途の広さと音楽再生に関わる機能の有無です。

NASは写真や書類も保存できる汎用の記憶装置で、ミュージックサーバーは音源の保存と配信、機種によっては取り込みと再生まで担います。両方を使う構成も選べます。

NASとサーバーの違いの結論

違いは3点です。用途の広さ、CDの取り込み機能、そして再生機能の有無です。

NASは汎用機で、音楽以外のファイルも扱えます。ミュージックサーバーは音楽用途に絞られ、そのぶん設定項目が少なくなります。

  • 用途:NASは汎用、ミュージックサーバーは音楽専用です。
  • CDの取り込み:ミュージックサーバーは内蔵ドライブで行える機種があり、NASは別途パソコンが必要です。
  • 再生機能:ミュージックサーバーは出力端子を備える機種があり、NASは備えません。

どちらもネットワーク上に音源を置き、再生機へ配信する点は共通します。選び分けの基準は、音楽以外のファイルを扱うかどうかです。

役割と機能の比較表

機能の範囲を並べると、選び分けの基準がはっきりします。

機能NASミュージックサーバー
音源ファイルの保存対応する対応する
ネットワークへの配信DLNAサーバー機能で対応する標準で対応する
写真・書類の保存対応する対象外の機種が多い
CDの取り込みパソコンが必要内蔵ドライブを持つ機種がある
アナログ出力備えない備える機種がある
デジタル出力備えない備える機種がある
動作音冷却ファンを持つ機種が多いファンを使わない設計の機種がある
設定項目多い(用途が広いため)少ない(音楽用途に絞られる)
拡張機能監視カメラや仮想化など多岐にわたる音楽再生に関わる機能が中心

汎用NASでも、DLNAサーバー機能を有効にすれば配信は行えます。機能の差より、扱うファイルの種類で選ぶ方が判断しやすくなります。

音質面で語られる差

音質の差については、機器の設計思想として語られる論点が3つあります。いずれも測定条件によって評価が分かれます。

  1. 電源のノイズ:スイッチング電源が発するノイズが、ネットワークを介して再生機へ影響するという考え方です。ミュージックサーバーでは、電源部にコストをかけた機種があります。
  2. 動作音と振動:冷却ファンやHDDの回転音が、リスニングルームの静けさに影響します。ファンを使わない設計や、SSDを採る機種があります。
  3. 通信の処理:ファイル転送の処理が再生機側の負荷に影響するという見方です。専用機では、処理を軽くする設計が採られる場合があります。

これらは設計上の配慮であり、聴感上の差については個人の感じ方や環境によって評価が分かれます。断定的な効果をうたう表現には注意してください。

実務上わかりやすいのは、動作音の違いです。同じ部屋に置く場合、ファンの有無は体感しやすい差になります。

どちらを選ぶべきか

選ぶ基準は3つです。扱うファイルの種類、設置場所、そして設定にかけられる時間です。

NASが向いている方

  • 写真や書類もまとめて保存したい
  • ファイル管理の設定に慣れている
  • 設置場所をリスニングルームと分けられる
  • 容量あたりの費用を抑えたい

ミュージックサーバーが向いている方

  • 音楽だけを扱えばよい
  • CDの取り込みを1台で済ませたい
  • リスニングルームに置くため動作音を抑えたい
  • 設定の手間を減らしたい

出力端子を備えるミュージックサーバーを選ぶと、ネットワークプレーヤーを省ける場合があります。機器の数を減らしたい方に向いています。

詳細はネットワークオーディオのNAS活用、ミュージックサーバーとはをご覧ください。

併用する場合の構成

両方を使う構成も選べます。役割を分けると、それぞれの利点を活かせます。

併用する場合の役割分担

ミュージックサーバー:リスニングルームに設置し、再生用のライブラリを保持します。

NAS:別室に設置し、バックアップと、写真や書類の保存を担います。

両者はルーターを介してつながり、定期的にコピーを取ります。

この構成では、記憶装置の故障に備えられます。サーバーが故障しても、NASにコピーが残ります。

NASは動作音が出る機種が多いため、別室や納戸への設置が向いています。有線LANが引ければ、距離は問題になりません。

構成例はネットワークオーディオの構成例にまとめています。

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よくある質問

両方必要ですか?

必要ではありません。どちらか一方で足ります。両方使う構成は、バックアップを分けたい場合の選択肢です。

音楽だけを扱うならミュージックサーバー、写真や書類もまとめるならNASが向いています。併用する場合は、サーバーを再生用、NASをバックアップと汎用の保存用と分けると役割がはっきりします。

NASだけで再生できますか?

NAS単体では音が出ません。NASは記憶装置で、音声信号を出力する機能を持たないためです。

再生するには、ネットワークプレーヤーまたは出力端子を備えたミュージックサーバーが必要です。NASのDLNAサーバー機能を有効にすると、プレーヤーからNAS上の音源を呼び出せます。この構成が、もっとも一般的です。

ミュージックサーバーは何が便利ですか?

CDの取り込みを1台で済ませられる点と、設定項目が少ない点です。出力端子を備える機種なら、アンプへ直接つなげます。

内蔵ドライブを持つ機種は、ディスクを入れるだけで取り込みとタグ付けまで行います。枚数が多い方ほど、作業時間の差が出ます。またファンを使わない設計の機種は、リスニングルームに置いても動作音が気になりにくくなります。